昼限定のランチ屋は町の憩いの場
「丸万旅館」
五十嵐信男さん
外食になることの多いランチ。忙しい人ほど簡単に済ませてしまいがちだが、できれば栄養バランスのとれたメニューをしっかりいただきたいもの。
「丸万旅館」併設の「らんちはうす えぬず」には、味良し、ボリュームたっぷり、栄養満点のランチメニューがズラリと揃い、近隣で働くビジネスマンやOL、山形大学の学生らを中心に人気だ。
リーズナブルなランチが人気
その土地に暮らす人にとって、地元の旅館やホテルは喫茶店やレストランを利用する程度で、普段はあまりなじみのない場所である。「丸万旅館」もしかり。
しかし、平成7年に同旅館が改装した際に「らんちはうす えぬず」を同時開店したところ、連日満席になるほどの人気店となった。
「旅館の厨房は、朝食が終わってから夕食の準備が始まるまでの時間は休みとなります。この空き時間を利用して何かできないだろうかと思い、ランチを出すことにしました」と話すのは、朝晩は旅館の厨房を切り盛りし、日中はえぬずの店長としておいしいランチを提供している五十嵐信男さんだ。
東京のレストランや地元で修行を積んだ五十嵐さんが手がけるランチは、どれもボリュームたっぷり。サラダもついて栄養バランスもいい。そのこだわりと特徴は、すべて手作りで飽きのこない味ということだろう。各種フライやカレー、しょうが焼きなど、気取らない洋食が人気の秘密だ。名物のコロッケはシンプルなポテトコロッケ。揚げたてサクサクをほおばれば、こぶし大のコロッケもペロリと食べられる。
地元の人々には宴会場としても利用されることの多い同旅館で提供される食事も、もちろんすべて五十嵐さんの料理。長期滞在するビジネスマンや合宿等で訪れるスポーツ団体の宿泊も多く、その家庭的な雰囲気と五十嵐さんの料理は好評だ。
休日や仕事の合間は、貴重な趣味の時間
厨房で忙しく働く五十嵐さんの趣味は、映画鑑賞。
「私が小さい頃は、この近辺に映画館がいっぱいありました。ちょうどこの隣も映画館だったんですよ。子どもだからとよくただで見せてもらいました」。
猿の惑星やタワーリング・インフェルノといったハリウッド映画の大迫力に驚き、石原裕次郎ら往年のスターが活躍した日活映画やゴジラなどの特撮映画に心を躍らせた五十嵐少年に衝撃を与えたのは、スター・ウォーズだったという。
「まだ幼かったので、話の内容はよくわかりませんでした。ただただ映像のすばらしさに度肝を抜かれたのを覚えています」。
それが五十嵐さんが映画にのめり込んでいくきっかけとなった。
以降、映画館に足繁く通うも町の映画館は次々と閉鎖。町の憩いの場である映画館がなくなるのは寂しかったという。
その後はレーザーディスクを買い集め、今はDVD収集に凝っているという五十嵐さん。DVDだけでも150枚ほど所有している。特にお気に入りの映画にいたっては、レーザーディスクを持っているにもかかわらず、DVDでも買い揃えているとか。
「DVDには特典映像が入っていたり、レーザーディスクではカットされていたシーンがDVDでは付け加えられていたり、見比べてみるのもおもしろいんです」。
なかなかのマニアぶりに脱帽だ。
今回は時間がなく映画の深い話はできなかったが、また機会があれば今度は映画のマニアックな話をじっくり聞いてみたいと思う。
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